Последняя фраза из субтитров
(鳥のさえずり)
まあ! フフフフ… フフフフ!
(物音)
(物音)
⚟それでね… ⚟なあに?
(女生徒の笑い声)
(ドラムの演奏)
♬~
(みなみ) やはり私は ショパンの「幻想即興曲」➡
物悲しくて素敵ですわ
(マキ) 私は ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」
先日 コンサートで聴いて感動しましたわ
(園子)あら 羨ましい 私は ドビュッシーの「月の光」かしら➡
とにかく美しいもの
(みなみ)鈴ノ宮さんは どんな音楽を好んで聴かれますの?
(りりさ)そうですわね
ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は 優雅で繊細で
スペインのノスタルジアが よく表現されていると感じますわ
まあ…! さすがは鈴ノ宮さん!
(園子)なんて深い見方なのかしら
(マキ)この春 転入されたばかりなのに もう 全員が鈴ノ宮さんのとりこですわ
もう… お食事中にお行儀が悪いですよ
(みなみ達の笑い声)
<あ… あっぶね~!>
<クラシックなんて知らねえよ!>
<たまたま昨日 勉強して覚えといて マジラッキー!>
<すぐ眠くなるし あんなの音楽じゃねえ!>
《はっ!》
<ここの連中には 絶対に知られちゃいけない>
<私は 親の再婚で鈴ノ宮の家に入っただけ>
<本当は ただの庶民だったなんて…>
(りりさのおなかが鳴る)
<ああ~ 牛丼食いてえ~>
<桜心女学園>
<そこは一流のレディだけが在籍を許される 小中高一貫>
<男子禁制の超お嬢様学校>
<ここに通う学生の両親は>
<旧財閥をはじめとした政財界のトップや>
<伝統芸能の後継者など>
<日本を表で裏で動かす権力者ばかり>
<かくいう私も 関東の不動産王>
<鈴ノ宮 正の娘として ここにいる>
<大人達のつくった鳥籠で>
<小鳥達は将来の不安を感じることなく 華やかに過ごしている>
<何の刺激もない毎日を>
<今は私も その一人…>
(園子)午後の数学 憂鬱ですわ
鈴ノ宮さん 今度 教えていただけませんか?
数学も英語も 何でもお得意ですものね
褒めすぎですわ でも 私で分かることでしたら何なりと
<まあ 私も必死に予習復習してんだけど…>
(マキ)あっ…
(マキ)学園長
(さゆり)皆さん ごきげんよう (4人)ごきげんよう
(さゆり)鈴ノ宮さん はい
(さゆり)転入して1カ月ですね 学園には慣れましたか?
はい すばらしい先生方とお友達に恵まれて 大変充実した日々を送っております
そう それは結構ですね (みなみ)学園長
鈴ノ宮さんは 本当にすごいんですよ 所作は いつも完璧で…
先日の実力テストでもトップクラス 音楽に関しても お詳しくて…
私達の憧れの的なんです!
(さゆり)確かに 所作も学力も 芸術への見識も大切です➡
ですが この学園におけるレディとは➡
「犠牲と奉仕」の精神を持ち 一族の繁栄を支え➡
格式こそを重んじる大和撫子のこと➡
理解していますね?
(みなみ・園子・マキ)は… はい
鈴ノ宮さん あなたも この学園の理念を身に付け
立派なレディになることを 心より願っていますよ
ありがとうございます 学園長 たゆまず精進いたします
はぁ… 窮屈すぎて圧死しそう!
<泣き言はなしよ りりさ!>
<私には この学園で やるべきことがあるんだから>
<高潔な乙女 ノーブルメイデン>
<それは この桜心女学園で生徒に与えられる>
<最も栄誉と誇りある称号だ>
<いわば日本を代表するレディを意味する その称号は>
<多様な人脈を呼び寄せ>
<一族は より一層の繁栄を約束される>
<私は これを手に入れる>
<そうしなきゃならない理由がある!>
<待ってなさいよ ノーブルメイデン>
<必ずつかみ取ってみせるから…>
あっ…
あっ ごめんなさい…
(音羽)こちらこそ ごめんあそばせ
<はっ… 何だ この…>
<息が止まるほどの美少女お嬢様は…!>
それでは ごきげんよう
は… はい ごきげんよう
(女生徒たち)キャー! ついに桜心女学園
1学年憧憬の的のお二人が!
黒鉄さんと鈴ノ宮さんが 邂逅されましたわ!
はあ?
なんて尊い瞬間でしょう
まるで一枚の絵画のごとくですわ
私には 花が舞っているのが見えました
何ですの? ウフフ…
皆さんが騒ぐのも 無理ありませんわね➡
1年C組 黒鉄音羽さん➡
容姿端麗 品行方正➡
政界の重鎮 黒鉄喜十郎様の御息女で➡
1年生で最も憧れられている方ですわ
ちなみに 次点は鈴ノ宮さんですわよ
えっ まあ! 光栄です オホホホ…
<有名政治家の娘か…>
<確かにお嬢様オーラがすごい>
<ノーブルメイデンになるのは ああいう人なのかも>
<いつか私も あんなふうになってやる>
うん?
これは… ギターのピック?
(足音)
<やっぱり これ ギターのピックよね>
<お嬢様学園に どうして こんなものが落ちてたの?>
(ギターの演奏)
♬~ドブネズミみたいに美しくなりたい
♬~写真には写らない
♬~美しさがあるから
♬~リンダリンダ ⚟うるせえ!
(あくび)
⚟りりささん
あっ… おはようございます お母様
(有花)気を付けなさい
人前であくびなんて 鈴ノ宮の娘 失格ですよ
はい ごめんなさい
私は あなたが恥ずかしい思いをしないように 言ってるだけ
学校は楽しい?
はい とても充実しています
よかったわ 気を付けていってらっしゃいね りりさちゃん
はい お母様 いってきます
(愛莉珠)ふん!
(みなみ)ごきげんよう 鈴ノ宮さん
ごきげんよう 小森さん 素敵な朝ですわね
<ああ~ クソ眠い…>
あら? (みなみ)何でしょう?
どうしたのですか? あっ それが…
ん~ ここにもありませんわね…
<お嬢様なのに なんて はしたない格好を!>
一体 何をしていらっしゃるのでしょう?
何でも この辺りで 大切なものをなくされたそうで…
あら あなたは昨日の… ああ はい
この辺りに変わったものが 落ちていませんでしたか?
このくらいの小さなものなのですが
<やっぱり これは この人の…>
あの それって…
ホホホ… 何でもありませんわ
<一流のお嬢様の捜し物が ピックなわけないじゃない!>
<人前で恥かくところだった! あっぶね~>
そうですか
どうやら ここで落としたのではないようですね
(チャイム)
(2人)ごきげんよう ごきげんよう
<だけど 万が一 これが あの人の大切なものだったら…>
<確信もないし せめて人けのないところで…>
って 何? ここ!
人けがなさすぎて 逆に話しかけづらい!
えっ…
(足音)
(ドアが開く)
旧校舎? 確か 老朽化で今は使われてないって…
(ドアが閉まる)
<あのお嬢様 何しに こんなところに?>
(鳥のさえずり)
(物音)
<ここは…?>
<それに この音…>
(物音)
(ドラムの演奏)
♬~
<お… お嬢様がドラム!?>
♬~
(足音)
あっ…
あっ…
え… え~と… その…
このギターピック あなたのですわよね?
よかった
見つけてくださって ありがとうございます
これは 以前 ある人にいただいた 大切なもので…
で… では 私は これで…
ところで あなた…
ギター 弾かれますよね?
せっかくなので ぜひ 私とセッションしていただけませんか?
何をいきなり… 私 ギターなんて知りませんわ
あら だって これをギターピックだなんて
この学園の方々は そうそう気づかないはずですわ
それに…
この立派な指のタコ ギターでできたものですよね
ねっ! ぜひ 私と交わってみませんか?
(アンプを移動させる)
ほら ギターなら 何本か置いてあります
ピックは こちらを使ってください
<あの日を境に 私は捨てた>
<ロックもギターも>
鈴ノ宮の人間は そんな粗野で やぼなことはしません
ましてや ここは桜心女学園 ギターなんて ふさわしくありませんから
ノーブルメイデンとなるようなレディには
ノーブルメイデン…
私は ここでは何も見ていません あなたも忘れてください
失礼します
そうですか…
(バスドラムの音)
うまくないなら そうおっしゃればいいのに…
<私が…>
(ギターの音)
<下手くそだって!?>
本当に このピック お借りしていいんですの?
大事なものなんでしょ?
構いません 使っていただいた方が そのピックも喜びますわ
そう じゃあ 遠慮なく
学園の方と手合わせできるなんて ドキドキしますわね
どうも ありがとうございます
やるのは さっき あなたが叩いていた曲で いいですわよね?
まあ! ご存じなんですね
もちろんです 他の楽器は音源で
(♬~Ghost Dance)
♬~
<気に入らない>
<多少 叩けるみたいだけど…>
<何の苦労も知らないお嬢様の分際で!>
♬~
<今回だけは特別>
<私のギターテクで この世間知らずの度肝を 嫌というほど抜いてやる!>
♬~
<どうよ? こんな展開>
<お嬢様についてこられる?>
♬~
<こいつ 私に しっかり ついてきてる!?>
<いや それだけじゃない>
<この勢い… この押し出し… このプレッシャー!>
<こいつは ギターをねじ伏せに来ている>
♬~
<ダイナミクスが引っ張られる>
<そのくせ 一切 口答えを許さないリズム感の強さ>
<まるで…>
<奴隷を屈服させる… 女王様!>
<何なの? こいつは>
♬~
<ざけんな! のほほんと生きてきたお嬢様に…>
<ぬるま湯に漬かりながら生きてきた ただの箱入りのお嬢様なんかに!>
<全てを捨てて生きると 覚悟を決めた自分が…>
<負けられないのよ!>
♬~
<あの日を境に捨てた ロック ギター>
<だけど 私のメインパート ここだけは…>
<ここだけは誰にも負けない!>
♬~
<完璧!>
《(真司) お前のギターは最高にイカしてんな➡》
《さすがは 俺の娘だ》
《イヒヒ》
<一度捨てたロック ギター だけど…>
<ああ くそ やっぱ 最高だな~!>
(ドラムの演奏)
♬~
ハァ… ハァ…
ハァ… ハァ… ハァ…
<すごい…>
<悔しいけど 全部持ってかれた>
ハァ… ハァ… ハァ…
ありがと お嬢様にしては あんたもやるじゃない
フ… フフッ ウフフフ…
完全燃焼~!
ひ?
つっまんねえなあ! てめえのギターは!
生きがいいのは はじめだけかよ
何で 急に静かになっちまうんだ?
もしかして 線香花火ですか~?
それとも シケちゃってるんですか~?
もっと燃やせよ! こっちが なえるんだよ!
この不燃ゴミが! そんなギター やめちまえ!
♬~
(戸が開く)
では ごきげんよう
♬~
何なんだ… あの野郎は
<それが 生涯のパートナー>
<黒鉄音羽との出会いだった>